耳掃除の嫌いなフレンチって多いです。もともと脂症気味の耳なので外耳炎になりやすいのですが、意外に力も強く、病院でも手こずるようです。
原因
原発性因子
耳ダニ、草のノギ、毛抜き、異物などが原因の場合は治ります。
- 吸入性アレルギー
耳だけに出る事もあります。体質的なものは治すのが困難です。 - 食事性アレルギー
耳だけに出る事もあります。治療食で治癒します。 - 原発性脂漏症・二次性脂漏症
全身性・体質・ケア - 自己免疫疾患(天疱瘡、エリテマトーデス)
耳以外にも病変がでます。コントロール - 他には、若年性・ジステンパー・亜鉛反応性皮膚炎
耳以外にも病変がでます。
後発因子
- 解剖学的要因
耳が垂れている犬種や、耳道に毛が生えた犬種。 - 耳道の微小環境の変化
毛包やアポクリン腺(油を分泌する腺)の多い犬種。
(コッカースパニエル、スプランガースパニエル、ラブラドールレトリーバーなど) - 耳道の閉塞
湿気や壊死組織を耳の中に閉じ込めてしまう。 - 細胞免疫を低下させる疾病
クッシング、糖尿病、ジステンパー、パルボウイルスなど。
慢性化因子
- 細菌
- マレセチア
- アポクリン腺の過形成
- 上皮の増殖と外耳炎の狭窄
治療
治療としては、適切な耳洗浄です。耳垢がある耳に薬を入れても耳垢が炎症の引き金になるだけで、感染の温床となります。
オーツイヤークリーナー
耳垢の少ない犬種向きで、低刺激性なので毎日使えます。
無菌生理食塩水+イソジン液
耳垢の多い犬種や、鼓膜が穿孔する恐れの有る場合など。
点耳薬
- 消炎剤
炎症を緩和し、耳道の狭窄を改善すると共に耳垢線の活動を抑えます。 - 抗生物質
殺菌作用があります。 - 抗真菌剤
酵母菌(マラセチア)を抑えます。 - 銀製剤
殺菌・抗真菌作用があり、耐性菌を出来にくくします。
内服薬
- 消炎剤
炎症を緩和する事で痛みをとり、耳道の狭窄を改善すると共に耳垢線の活動を抑えます。ただし、副作用として多飲多尿・多食が認められます。 - 抗生物質
殺菌作用があります。 - 抗真菌剤
酵母菌(マラセチア)を抑えます。
外耳道炎が重度の場合は耳を触らせません。そのため、内服薬で治療し、その後、局所治療に移ります。アトピーや炎症が強い場合も内服薬が必要です。
食事療法
- 低分子プロテイン、Z/D
食事性のアレルギーが疑われる場合。 - スキンサポート
必須脂肪酸を強化する事で、皮膚のバリア機能を高めます。
日常のケア
日常のケアで、耳の毛を抜くのは止めましょう。痛みを伴いますし、毛包で炎症が起こります。綿棒も、耳垢を耳道の奥に押し込んだり、眼に見えない小さなキズを耳道粘膜に作ると言われています。
一時的要因(耳ダニや異物以外)が原因の場合は再発します。なので、外耳炎の再発予防には日常のケア(耳洗浄)は必須です。
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